2009年受賞作品

受賞作品|審査員講評|

審査員講評

関東・関西審査委員長 伊久 哲夫 (積水ハウス株式会社 取締役 常務執行役員)

リアルサイズシンキングとして、原寸大のモデルを作成しての審査も今年で3年目となるが、年々作品の質が上がるとともに、提案の幅も広がりつつある。
特に今年は東西ともに、「土」「植物」「野菜」「食」という流れの中で、食生活をその原点である自然とつなげる作品が目立った。日々の生活の中で自然と直接つながることこそが、地球にやさしい住生活の原点であるとのメッセージを強く感じた。
また、「はたけキット」「tutinocco」には「つくるプロセス」をデザインしていたところが評価できる。原寸大モデルにすることで、リアリティが厳しく問われる最終審査の中、強い思いを持って最後の仕上げまでこだわった作品が上位に評価されたと思う。


関西審査委員 中村 勇大 (京都造形芸術大学 芸術学部 環境デザイン学科 教授)

このコンペの特徴は、私たちにとって身近な住生活を通じて地球に対するやさしさを考え、アイデアをモックアップし空間体験できることである。
東西問わず提案された作品には、経済効率が優先される時代性に逆行するがごとくアンリアルな発想もない訳ではない。
しかし良い意味での学生の無責任な創造力が、新たな住生活の豊かさへと導き、地球環境を配慮したものづくりの可能性を切開くと信じるならば、このコンペが有意義であり続けることは間違いない。


関東審査委員 岩村 和夫 (東京都市大学 環境情報学部 環境情報学科 教授)

原寸大モデルの制作を通して最終審査する大がかりなコンペである。与えられた課題を各々がどのように咀嚼し、独自のテーマに引き寄せて提案しているか、私達はその過程に評価の重点を置いた。そこからさらに飛躍しうる力を見せたチームが僅差で最優秀賞となった。プロセスを楽しみ、社会と向き合う取り組みの姿勢がそこに感じられたからである。無論、入賞者達が提示したモデルは完成形ではないが、今後につながる希有な体験ができたに違いない。


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